ベトナムの監査 | 外資系の企業・投資家・駐在員事務所のためのコンプライアンスのガイド
ベトナムの監査は、外資系企業・投資家にとって避けては通れない事柄です。ベトナムの外資系の企業及びベトナムで事業を行う投資家は、ベトナムの法律に従い、監査を受けなければなりません。これを、法定監査と呼びます。今回は、ベトナムへ進出する外資系企業・投資家のためのコンプライアンスのガイドとして、ご紹介いたします。
ベトナムの監査 | 外資系の企業・投資家・駐在員事務所の義務
外資系企業及び駐在員事務所は、年次報告書の監査が義務付けられています。さらに、外国の投資家は、外資系企業及び駐在員事務所の監査とは、違った法令の要求がされることに注意する必要があります。
政府は、2025年までにベトナムの会計基準を置き換え、国際財務報告基準を採用することを目指しています。ベトナムの会計に係る法律は、企業がベトナムでコンプライアンスを維持するために、会計、監査、組織論(会社法)へと及びます。
ベトナムの税年度は暦年に従って決定され、ベトナムに拠点を置く監査会社が監査を実施しなければなりません。その後、財務報告書は、会計年度末の90日前に地方税務当局、財務省、および統計事務所に提出する必要があります。
ベトナムの監査 | 外資系企業・投資家が注意すべき点
外資系企業・投資家は、ベトナムの会計・法律に詳しい専門家と共に、ベトナム政府への申告が法令・ベトナムの規則に準拠していることを、確認する必要があります。
베트남 회계 기간
- 1月1日から12月31日
- 4月1日– 3月31日
- 7月1日– 6月30日
- 10月1日– 9月30日
- ※上記から、選択可能
ベトナムの会計基準
会計法に加えて、地元企業および国際企業は、財務取引を文書化する際に、財務省が策定したベトナム会計基準(VAS)を遵守する義務があります。VASは、簿記、財務報告、および財務諸表の作成に関するガイドラインを提供します。保険、証券、資金管理に携わる企業には、業界固有の会計ガイドラインがあります。
政府は、2025年までにVASを置き換え、国際財務報告基準(IFRS)を採用することを目指しています。IFRSは、すべての利益志向企業に関連するすべての財務報告、品質管理、監査基準に適用されるようになります。
外資系企業・投資家への税金の申告義務
年次監査報告書と合わせて、 法人所得税および個人所得税を申告する義務があります。
外資系企業に対する法定監査の要求
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손익계산서
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財政状態計算書
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資本等変動計算書
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貸借対照表
会計年度の終了後90日以内に、監査済み報告書を、投資計画局、各地方の税務署、そして統計局など、各政府機関へ提出する必要があります。
駐在員事務所のコンプライアンス
駐在員事務所は、ベトナムで法人を設立する際の、最も簡単で迅速な方法です。報告書の要件も、外資系企業と比較して簡素化されています。
駐在員事務所は、利益を生み出す活動を直接行うことを禁じられており、市場調査、貿易関係の発展、規制や法律に関する情報の収集に限定されています。
駐在員事務所に対する年間報告
駐在員事務所は、次の情報を報告する義務があります。
- 基本情報:オフィスの住所、電話番号、銀行の主要連絡先など
- 人事報告書:給与、ボーナス、保険、及びその他の福利厚生に関する方針を文書化して提出
- 活動報告書:前年の市場調査活動、広告活動、見本市への参加など活動記録の報告
※基本情報では、駐在員事務所の住所が、登記住所と一致しているか注意する必要があります。
※人事報告書では、すべての従業員の個人情報と役職も含める必要があります。
外資系企業・投資家・駐在員事務所へのコンプライアンス違反に関する罰則
2018年に発行された政府の新しい刑法の下では、コンプライアンス法を順守しなかった企業は現在、刑事責任を負うことになります。税務当局が財務報告を粉飾・虚偽報告とみなした際には、申告不足の金額に加えて、20%の重加算税が強いられます。さらに、納税の遅延に対する罰則として、1日あたり0.03%の利息が徴収されます。外資系企業のコンプライアンスは、厳しくみなされることも少なくありません。このような事態にならないためも、ベトナムの会計・法律に詳しい専門家へご相談されることをお勧めします。