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ベトナムの会計監査、税務調査への対応、企業が注意すべき点

 

2021年も年末に近づき、外資系企業にとって、監査シーズを迎えつつあります。

日本を含む、多くの外資系企業では、12月末日を決算末日とする1年間を事業年度を定めています。

会計監査が強制適用される外資系企業では、その日から90日で会計監査及び税務申告と進めていくことになります。

 

2021年度は、ベトナムでも大きく疫病の影響を受けました。

2020年度には、感染者は累計数百人と、世界でも優等生と言われていたベトナムですが、2021年中頃になると、ベトナム南部の最大都市、ホーチミンを中心として、毎年数千人と感染がひろがりました。

まず、バーや居酒屋、マッサージなどの人と人とが接触する可能性のある業種が店を締め、それでも収まらずに、多くの工場までもが、シャットダウンを余儀なくされました。

 

このような年だからこそ、会計監査について、企業がどのように捉えておくべきか、概説します。

 

ベトナムの会計監査、税務調査への対応、注意点

ベトナムの税務当局の税収が減少

今年は、多くの産業、企業で、売上の減収が予測されています。それは、つまりベトナム税務当局にとっても、大きな税収の減少となり、税務当局は企業を厳しく調査する可能性があります。 

また、今年はパンデミックの影響によって、様々な優遇措置、減税、免税措置が行われました。それは、結果として、税務当局の税収の減少に繋がります。企業は、一層、コンプライアンスに注意する必要があります。

 

税務調査で指摘されるリスクのある領域

税務当局が指摘する可能性が高い、一般的な分野は次のとおりです。

 

  • 法人税 優遇税制が適用されている場合には、その適格性
  • 繰越欠損金の取扱い
  • 関連当事者との利息
  • 在庫リスト、実地棚卸数量の不一致
  • 貸倒の処理及び評価
  • 従業員の給料
  • 個人所得税(PIT) 居住者のベトナム国内、国外所得
  • 住宅手当の適正性
  • 外国契約者税(FCT) 技術、サービス利用への源泉徴収税の適正性
  • 恒久的施設(PE)
  • 移転価格文書化

罰則

  • 加算税(過少申告)20%
  • 重加算税(脱税、不正)100%~300%
  • 遅延利息 1日 0.05%

会計監査、税務調査への対応、まとめ

税務当局の対応は、従来よりも厳しくなるものと予想されます。

税務調査へ、十分に対応するためには、外資系企業にとって会計監査は非常に重要です。

企業は自社の経営のやり方、特徴をしっかり把握している会計事務所と、日頃からコミュニケーションを図ることも重要です。

 

AACSでは、会計監査の側面から、注意すべき点をお伝えいたします。

分からないことがございましたら、お問合せください。

 

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鈴木 啓之(宅地建物取引士・簿記1級・英語 / 中国語)

宅地建物取引士。香港の日系最大手会計事務所を経て、ベトナムで独立創業。 ホーチミン現地で、仲間のベトナム人会計士たちと共に、日系企業をはじめ外資系企業に、不動産・会計・税務・監査と、ワンストップでサービスを提供。