今回は、ベトナムの会計や簿記の概要についてご紹介します。
ベトナムでは、現在IFRSへのコンバージョンに向けて、ベトナム独自のベトナム会計基準、いわゆるVASの改善を進めています。2025年までには、世界で最も認知されているIFRSへと統合されるとの報告も、数多くあがっています。このような中、ベトナムへ投資される法人にとって、ベトナムの会計や簿記に関連する規制・規則を正しく理解することが重要です。そのため、今回、ベトナムの会計や簿記について分かりやすくご紹介します。
- ベトナムでは、ベトナム会計基準(VAS)として知られる会計および簿記の統一されたセットを採用しています。
- ベトナムは2025年までに世界で最も一般的な会計言語であるIFRSの導入を検討しているため、投資家は将来に備える必要があります。
- 会計および簿記に関連する規制を理解することは、投資家にとって重要なコストの考慮事項です。
ベトナムの会計や簿記
ベトナムでは、会計および簿記の統一された基準を採用しており、国境内で事業を行っている企業の費用と収益をどのように記録する必要があるかを示しています。ベトナム会計基準(VAS)として知られているこれらの一般に認められた会計原則(GAAP)は、勘定と帳簿の作成と記録の方法に関する主要なガイドラインとして機能します。
ベトナムの会計の枠組み
ベトナムの国内で事業を行う外資系企業は、法律によって、金融取引を実施する際にはベトナム会計基準(VAS)に準拠して記録することが義務付けられています。外資系企業は、2つの会計記録を管理することを選択できます。1つはVASに基づいており、もう1つは海外本社専用に統合されたものです。
実際には、多くの外国企業はVASに従って記帳し親会社のため、四半期ごとに別途、国際財務報告基準(IFRS)に照らした決算書を準備します。
ベトナムの会計や簿記の通貨
記帳する上で最も重要な要素は間違いなく通貨単位でしょう。それは、ベトナムの海外に親会社があり、ベトナムに現地子会社があるといった組織形態としている場合には、為替差損益、連結時の為替換算調整勘定などへも、重大な影響を与える非常に大事な要素です。
ベトナムの会計の通貨の選択
ベトナムでは、外貨が会計通貨単位として選択すrことができます。しかしながら、一度外貨を表示通貨として選択する場合には、企業は、会社の取引に重大な変更がある場合などの特別な状況を除き、外貨を変更できません。
企業は、選択した外貨で財務諸表を作成することに加えて、ベトナム政府当局へ提出する前に、財務諸表をベトナムのドンに換算する必要があります。そのため、多くの企業がベトナムのドンを、表示通貨としている実情があります。
ベトナムの会計で必要なこと
- ベトナム語かどうか(外国語との併記が可能)
- 会計通貨としてベトナムドン(VND)を使用するものの、外資系企業(FIE)は外貨を選択可能
- ベトナムの勘定科目表への準拠
- VASに準拠した決算書の準備と署名及び社判
ベトナムの会計の今後
ベトナム政府は、今後、VASに代わる国際財務報告基準(IFRS)を採用します。政府は2025年までにIFRSを実施することを望んでおり、これは上場企業やFDI企業からの要求でした。これは会計の国際標準に沿っており、コーポレートガバナンスの透明性と有効性を高めるため、重要事項として評価されています。