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ベトナムでは、記録的に外国直接投資をひき付けているため、ベトナムから国外送金を実施ためのプロセスを理解することは、非常に重要になっています。
- ベトナムの政府機関と銀行は、送金プロセスにおいて重要な役割を果たします。
- 通常、国外送金は問題となりませんが、外国投資家は配当計画についても慎重に判断する必要があります。
ベトナム国内から国外送金を実施するプロセス
ベトナムで既に事業をされている法人や投資家にとっても、ベトナムから利益を国外へ送金することは、非常に煩雑なプロセスです。国外送金を検討されている事業者は、リアルタイムで、各規制およびプロセスの変更点を把握しなければなりません。送金プロセスに関する現地情報の不足によって、国外送金ができない事態に陥ってしまうことは少なくありません。
国外送金の実施は非常に難しいプロセスですが、正しく情報を把握している事業者にとって、社会主義のベトナムにおいても円滑に企業グループのミッションを実施できます。
ベトナム政府機関と銀行の国外送金への影響
ベトナムへの事業展開を検討している事業者、既にベトナム国内で事業を進め利益が出ている事業者にとって、どこの政府機関が、どのような法律や規制が、事業に影響を与えるかを理解することは、事業戦略実施に向けた重要な事項です。
国外送金に関する現在の法的手続きについて、次に掲げる政府機関と投資に関する一般的な規制に留意する必要があります。
ベトナム財務省(MOF:MINISTRY OF FINANCE )
ベトナム財務省であるMOFは、ベトナム国内で事業主体に課税を進め、送金を規制する権限があります。MOFの権限の範囲は、主に次の通りです。
- 法人所得税、付加価値税、特別消費税など、さまざまな税率の調整
- 利益の処分に関して、ベトナムから国外送金に関する要件の調整
ベトナム国家銀行(SBV:State Bank of Vietnam)
ベトナムの中央銀行に相当する、ベトナム国家銀行のSBVは、ベトナム国内の市中銀行および外国為替を規制する責任があります。ベトナム国家銀行の権限の範囲は、主に次の通りです。
- 外国為替口座を運営するた銀行への指示
- 銀行口座の開設に関連する要件の設定
- ベトナムドン(VND)と他国通貨との公定為替レートの決定
ベトナムの国外送金における、ビジネスモデルへの影響
ベトナムでは、世界各国へ利益を送金できるよう制限を緩めていますが、ベトナムの事業主、投資家は、送金手続きの制限に注意する必要があります。これらの制限が既存のビジネスモデルに反映されていない場合、株主にとって重大な流動性の問題が生じる可能性があります。
タイミング
ベトナムの法律では、国外送金とした利益処分は年に1回しかできません。1年に1度のタイミングは、外資系企業への監査を通して制限されます。
財務状態
ベトナムでは、通常、会社が利益を上げていない年には配当は行われません。そのため、利益計画と同様に、配当をどのタイミングで、どのように母国へ還流させるか慎重に検討する必要があります。
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